2008年10月06日

楽天岩隈が投手部門3冠王達成 その陰には...

 サラリーマン時代を振り返ると、自分の担当区域でのシェアは7割以上は確保していた。数字だけを見れば圧倒的あるが、一つ一つの物件を検証してみればライバルメーカーとの競合は紙一重であった。 
 一瞬でも気を抜けば、相手メーカーに持っていかれるような状況の中での重圧は相当なものだった。
 計算してい物件が外れたり、裏切りがあったり悔しい思いもした。それでもその仕事が好きだったから業績を上げることが出来たと言える。

 昨日のKスタ宮城での岩隈の心境は如何なものだったろうか? 最多勝に加え、防御率と勝率のタイトルを懸けてのマウンドだっただけに重圧は凄かったであろう。 
 試合前の時点で、防御率はダルビッシュと0・05差の2位。5回以上を無失点という厳しい条件だった。これを覆すには、5回1/3を無失点で乗り切らなければならない。逆に1点でも許してしまうと完投しても届かない。
 防御率だけではない! 仮に負け投手になってしまうと、勝率の方も勝率も同率で並んでいるオリックス・小松にさらわれてしまう危機であった。

 しかも相手チームのソフトバンクには6日前に苦杯を舐めた。レベルは全然違うが、数字を達成する辛さを知っているボクは心臓がドキドキしていた。
 味方打線が1点を先制してくれたのだが、6回にピンチを迎えた。ここで1点でも入れられれば、防御率と勝率のタイトルが消えるかどうかの瀬戸際だった。
 だが、岩隈は窮地に陥ってから冷静だった。外角に球を集めて最後はフォークでサードに仕留めた。この瞬間、投手部門3冠を確実にした。その後、打線の強力援護が待っていた。

 岩隈が獲得するであろうタイトルは、
 
  ・最多勝       85年の佐藤(阪急)以来23年ぶりとなるシーズン21勝
  ・最優秀防御率   ダルビッシュを0.01差で再逆転。 1.87
  ・最優秀勝率    同率で並んでいた小松(オリックス)を振り切る。 .840

 この他、投球201回2/3、試合数28、奪三振159、無四球3…。この1年で記録したほとんどが自身最高の数字になった。      Congratulations!!

          
 栄光を勝ち取った岩隈であるが、ここまでの道程は険しかった。楽天に入団してからの3年間で計15勝しか挙げることが出来なかった。それまでの2段モーションの禁止で投球フォームを崩し、右肩を痛めた。
 更に昨秋は右肘を手術した。近鉄時代、2年連続で15勝した実績からくる自尊心は傷つけられたであろう。分かっていることだが、過去の栄光は問われないのだ。

 岩隈の今季の目標は1年間ローテを守ることにしていた。謙虚な姿勢と思われたのだが、実は、手術を受けた後の身体の状態から判断してそれが精一杯であったのだ。 
 春季キャンプ中、ソフトボールやアメフットボールを投げて、肘を柔らかく使う練習を繰り返した。直球とスライダーで押すかつてのスタイルは捨てた。シュートでゴロを打たせて、フォークで空振りを奪うように変えた。
 もう近鉄時代の岩隈から円熟味を増した投球法を完成した。

 復活した陰では、幾度も辛酸を舐めた過去がある。単純で地味な練習の連続があったのだ。その努力が叶うかどうか分からない不安を抱きながら...。
 これが一番辛いことなのだ! 



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Posted by 杜の都の素浪人 at 16:53│Comments(0)楽天ゴールデンイーグルス
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